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奥歯にはさまったタミフル

 もう10年以上も前、インフルエンザにかかった。高熱、関節・筋肉痛で、もう我慢できなくなり、ふらふらと病院に行き、解熱剤、頓服、抗生物質などもらい、寝て治した。タミフル解禁の前だったんだな。


 服用した若年層が、相次いで異常行動や幻覚による飛び降り自殺などを起し、厚生労働省はタミフル服用に関する注意をよびかけた。ただし、タミフルと異常行動の因果関係については関連がないとしていた。まったくわけがわからん。そして朝令暮改。関連に関しては、否定ではないが否定的とし、3月22日の時点では、とうとう「否定」については白紙撤回し、「判断し直す」とした。

 僕自身は、医者や薬については、患者の自己責任だと思っている。医療ミスや過誤は別だけど、医者なんてごまんといるし、薬は飲まない権利もあるし、断る自由もある。治療・薬は人によって効く効かないは当然あるし、副作用もひとぞれぞれだ。口に入れるものだから、よっぽど考えたり調べたりしなきゃ。医者の言うことだから信じたではあまりにも横着すぎないか。

 今回報道されたり、行政による注意が行われたことは、とりあえずよかった。今後は患者が判断すればよい。


 だからといって、タミフルと異常行動の因果関係を否定するつもりや、タミフルに関する報道をヒステリックなものに片付けようとする論調には反対だ。タミフル服用者における異常行動の割合が少ないから、関係ないとする短絡的意見はどうかね。そりゃ高熱がでれば幻覚をみることもあるだろうが、それがタミフルにより増幅されたり誘発される可能性も考えられるわけで、因果関係否定派は、ヒステリックな関係肯定派と五十歩百歩だ。


 ところが、タミフルについては、もう一つ問題がある。厚生労働省の医薬認可の適正性の問題だ。

 この異常行動の問題の前から、なんだか宣伝のように大本営発表と垂れ流し報道がされてきたタミフル。

 この薬はスイスのロシュ社が開発したものを中外製薬が輸入しているのだが、2004年には、厚生労働省が、国と都道府県で計1千万人分を国家備蓄する方針を固めている。。中外との調達分と合わせると5年後には2500万人分を確保の予定をしていた(http://www.med.oita-u.ac.jp/infectnet/influenza/influ_report_00258.html)。

 ついで2006年2月にはタミフルの国内生産が、中外と厚労省により検討がはじめられている(http://www.kenmin-fukui.co.jp/influenza/060210T113658.shtml)。

 その後、本当かどうかわかりもしない、鳥インフルエンザへの有効性ともごちゃ混ぜにされ、この備蓄の話は進んでいく。

 そんな中、もう何年も前からタミフル服用後の異常行動は報告されていたが、いつものように厚労省とテレビ・新聞は無視。そして今回の問題にともない、やっと報道されたのが、タミフルと異常行動死の因果関係を調査する厚労省研究班主任研究者の横田俊平・横浜市立大教授と「中外製薬」の寄付金問題だ。ダメ押しすると、この薬にはアメリカの元国防長官ラムズフェルドも関係しているやに聞く。


 さてさて、こう話を並べ立てていくと、普通は薬害エイズや薬害C型肝炎の話を思い出すだろう。タミフルがインフルエンザの治療薬として有効、安全かどうかという医学的問題と、人の命とお金を天秤にかける問題とは全く別問題だ。タミフルが効くからといって、この怪しげな厚労省の行動を見逃していいわけがない。


 そうして、もう言うのもいやになってきたが、またもやテレビ・新聞は中途半端なもの言いだ。そりゃ、中外製薬は大広告主ですから。あんたたちの気持ちは察しがつきますよ。認めないけど。奥歯にタミフルが挟まったものの言い方はやめてよね。

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